2011年2月9日水曜日

医学部入学と同時に奨学生になった、Dr山田歩美(3年目)に、奨学生の魅力について話を聞きました。

★奨学生になったきっかけは?
埼玉協同病院は、家の近所で、家族みんながかかりつけの病院でしたし、「いい病院だ」と聞いていました。それに、私立大学で奨学金が必要だったので、1年生から奨学生になりました。


★奨学生交流集会に参加したことはありますか?
何度か参加しました。実行委員長もやったことがありますよ。

★参加してどうでしたか?
一番印象に残っていることは、「ハンセン病」を通して差別と人権問題について考えたことです。ハンセン病は、1年生のときから自分自身の学習テーマだったので、特別な思いがありました。ハンセン病を再発した方の話を聞いたり、国立療養所多磨全生園(ハンセン病療養所の1つ)へ見学に行ったり、裁判に関わった医師の話を聞いたりしました。ハンセン病の人たちは、差別され隔離されていたので、一般の医師はハンセン病のことは全くわからないんです。自分で勉強して知っていたつもりだったのに、実際に起きていたことを知らなかった。びっくりすることがたくさんありました。
それから、他の学生たちと話し合うことも、よい経験でした。人の意見を聞いて、どこに一致点をさがそうかと考えながらまとめていった経験は、医師になった今でも役に立っています。

★学生同士の交流はどうでしたか?
 医学生だけではなくて、看護学生、薬学生、リハビリ学生など、多職種の人と知り合える機会って、なかなかないと思います。いろんな考えが聞けておもしろかった。奨学生交流集会で仲良くなって、今一緒に働いている看護師さんたちは、やっぱり話しやすいですね。

★奨学生生活はどうでしたか?
 奨学生としての体験や経験がなければ、今の自分はいないなと思うほど、いろんなことを経験しました。難病の患者さん、在宅で療養している患者さん、たくさんの人から直に話を聞けて、自分の医師像ができあがってきたように思います。
医療現場や、患者さんの生活の場に行くと、「がんばってね」「医者になるのを待っているよ」って声をかけてもらえるんです。そういう期待の言葉を聞くたびに、地域で役に立ちたい!という思いが強くなっていきました。

★最後に学生のみなさんへ一言お願いします。
部活も楽しいけれど、部活だけだと6年間はもったいない。物事を広くみること、患者さんの生活背景など丸ごと診られる視点をもつことって、とても大事だと思うんです。奨学生になると、いろんな人と話をしたり、広く物事を知ることができたり、とてもいい経験ができます。

まずは、低学年のうちから地域をみて、そこでどういう医療が求められているか、この病院に求められている役割はなにか、地域の声に耳を傾けてみてはどうでしょう。春休みに、ぜひ実習に来てください!