2012年10月6日土曜日

医学生が原発問題を本気で考えた!

 8月の話題で恐縮ですが… 全日本民医連主催の「第33回民医連の医療と研修を考える医学生のつどい」が8月16日から17日に岩手県の花巻温泉で行われました。医学生181人など全体で433人が参加した「つどい」には、埼玉民医連からも医学生5人と職員など計11人が参加しました。

 今年の「つどい」のテーマは、「原発問題から医療と生活を考える~医学生が本気出して考えてみたらどうなる!?」でした。
 
 1日目は、フォトジャーナリストの森住卓氏が「核に蝕まれた地球」と題した講演を行いました。旧ソ連のセミパラチンスクで行われた核実験による地球規模での汚染実態、東日本大震災直後の
福島第一原発周辺の取材の様子が写真やビデオで紹介されました。SGD(スモールグループディスカッション)では、学生から「無人の街や病院の映像にいたたまれない気持ちになった。放射能汚染によって生活すべてが奪われたということをリアルに感じた」などの感想が出されました。

 2日目は、午前中にシンポジウムが行われました。福島の農業生産者、宮城・坂総合病院の医師、福島・桑野協立病院のソーシャルワーカーが問題提起を行いました。
 午後は分科会企画が行われ、埼玉から参加した2年生が大活躍。C大学Mさんが「ここにもあった被爆者健診」という分科会で報告し、S大学Kさんも「被ばくと医療~過去に学び、今を知り、そして未来へ」という分科会で報告をしました。「浜岡原発をとりまく現状と市民の意識」分科会に参加したJ大学1年のYくんは「浜岡で事故があったら、数10分で埼玉も汚染されると知って、自分と無関係でないと実感できた」と、感想を述べています。

 3日目は、班ごとのSGDで今回の学びを深め合いました。

 ご承知のように、民医連は「原発ゼロ」の社会の実現をめざしており、福島でも放射能汚染について学習・相談会を開くなどの活動をすすめています。
 今回の「つどい」では、原発の是非について様々な意見の違いはあっても、事故によって起こされた福島県民の生活や健康の実態を直視し、生命と健康を守る医師・医療従事者はどんな立場や役割を果たすべきか!?真剣に考え・話し合うことができました。実行委員会の学生が提案した 「医学生も、一人の国民・人間として、自ら情報を集め・考え・判断すること、そして行動することが大切」というメッセージは、多くの参加者の共感を育むものでした。

 「つどい」に初めて参加した1年生で、J医大Hさんは「いろいろな大学の知り合いができた。来年も参加したい。」と、G大学Sさんは「埼玉出身の学生と初めて交流できて良かった。もっと埼玉出身者で一緒に学んだり、フィールドワークしたい。」と感想を述べています。
 
 埼玉民医連では、埼玉に関わる医学生のみなさんとの学びや体験の場をもっと増やしていきたいと思います。12月には奨学生交流集会を予定しています。奨学生はもちろんですが、奨学生でない学生さんでも興味ある取り組みにはぜひご参加ください。                               (担当TH)